2008/2/ 9

小笠原でクジラを見ることについて

父島沖の風景

小笠原到着初日。
午後に、ホエールウォッチングのツアーに参加しました。

ホエールウォッチングのツアーを主催しているところはたくさんありますが、僕が参加したのは「パパヤマリンスポーツ」というところのツアー。これは、東京にいるうちに予約しておきました。

小笠原に到着後、いったん宿泊先の「ホテル・ホライズン」へ。(このホテルについては、また別途書きます。)

ちょっとくつろいだところで、パパヤさんのお迎えがホテルまで来てくれました。
迎えに来てくださったのは、パパヤの代表・田中さん。やさしくてダンディなおじさんです。
僕の服装を見て「海の上は寒いよ。もう一枚持ってるなら、着てきた方がいい」とか「酔い止め買っていこうか」とか、いろいろ親切にしていただきました。

ちなみにこのパパヤさんには、翌々日のツアーでもお世話になりました。
たぶん、小笠原に行ったみなさんはみんな、自分が参加したツアーの主催元のファンになると思います。ほんとに親切で、楽しい気持ちにさせてもらえます。例に漏れず、僕もパパヤさんの大ファンになりました。


さて、ホエールウォッチング。

小笠原では、2〜5月はホエールウォッチングのシーズン。派手なアクションを見せてくれる「ザトウクジラ」が、繁殖のために小笠原近海に集まってきている時期です。
今回小笠原に行くにあたって、そんなことを知っていたわけではなく、たまたまベストシーズンに当たったわけです。

ホエールウォッチングは、クルーザーで父島沖に出て行います。
クルーザーの名前は「ミスパパヤ」。35人乗りの大型クルーザーです。他のツアー主催元のクルーザーと比べても、ミスパパヤは大きめのクルーザーのようです。

この日の参加者は、10人くらいだったでしょうか。おじさんたちが数人、母親と娘の親子がひと組、カップルがひと組、そして僕。(あ、僕はひとり旅です)

父島の北西端、三日月山にある、通称「ウェザーステーション」という展望台から、代表の田中さんが双眼鏡でクジラを探し、トランシーバーで場所を連絡してくれます。クルーザーは、その連絡に従って出現位置に向かいます。

そのクジラですが、最初は遠くの方で、「ブロー(=背中からブシューっと潮を噴き上げる)」が難度か見えました。近くに行くと、ブローをするために海面に現れた背中がありありと見えるようになりました。
ルール上、100メートル以内に近寄ってはいけないことになっているそうですが、感覚的にはほんの10メートル、20メートル先にいるように見えます。(海の上はものがないので、距離感がつかみづらい)
それくらい間近に、大きく見えるといういうことです。

クジラは、浅く潜るときは3分くらいの間隔で海面に現れます。尻尾を海面に出すときは深く潜る合図で、いったん深く潜ってしまうと、8分くらい上がってこないそうです。
この日は、浅く潜ってはまた現れて…というパターンを繰り返していました。

ブローにもいい加減見飽きたころ…一回きりでしたが「ブリーチング」というアクションを見ることができました。ブリーチングとは、上半身を海面上にズボッと表して、背中を海面に叩き付けるように落下するアクション。最もド派手なアクションといってもいいでしょう。これを見ることができたのはラッキーでした。

しかし…。クジラ、ぜひ写真に収めたかったのですが、結局1枚も撮ることができませんでした。
というのも、クルーザーはとても揺れるので、両手離しで姿勢を保つことがけっこう困難。おまけに、クルーザーの柱などの障害物もあるので、そういったものを避けてクジラをフレームに収めるのは至難の業。
そもそも、クジラの出現ははやくても3分に1度程度ですし、その多くは背中を海面に出してブローするだけ。ブリーチングのように絵になる瞬間をばっちり捉えるのは、まず不可能です。肉眼で見逃さないようにするのがやっとです。

そういうわけで、クジラを間近に見た証拠は、残せませんでした。(見たのはほんとだからね!)


南島

ツアーはこの後、父島のすぐ南にある「南島」に向かったのですが…。南島は、独特な自然を保存するため、この時期は3カ月の休眠期間。このため、船から直接上陸することはできず、泳いで上陸することのみ許可されているとのことでした。
僕は泳ぎは苦手で、今回泳ぐ気はまったくなかったので、この時点で南島上陸は断念せざるを得ませんでした。
この日は波がやや強かったせいか、南島に船を寄せることができず、泳ぐ予定だった人たちも結局上陸させてもらえませんでしたが…。

ちなみに、この写真に写っている砂浜が、上陸予定地点だった扇池。
ここは、海から見ると、岸壁に空いた穴の向こうに真っ白な砂浜が見えます。
なんでも、『紅の豚』に出てくるポルコ・ロッソのアジトのモデルになったといわれている場所だとか。まさにあんな感じです。

この後、父島の南岸、「ハートロック」といわれる岸壁などを見て帰途に。
帰途でも、海を泳ぐアオウミガメや、赤ちゃんクジラのつたないブリーチング見られました。


父島に3泊4日滞在予定の初日して、この旅のクライマックスなのでは?と思うくらい楽しませてもらいました。「この後、これより楽しいことはもうないんじゃ…」と妙な心配をしてしまいました。
(実はこんなのはクライマックスでもなんでもなかったということは、後になってわかるんですが。)

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