2008/2/ 9

父島探検はレンタルバイクに乗って

父島散策

小笠原2日目。
この日はなんのツアーにも参加せず、フリーで父島内を探検することに決めていました。

まず朝、ホテルの車で、港のある大村海岸へ。(ボテルのある場所は扇浦といって、港からけっこう離れたところなのです)
そこで観光協会に行き、今回の最大の目的である「星」を見るツアーについて調べました。
夜のツアーとしては、「オガサワラオオコウモリ」や、光るキノコ「グリーンペペ」を見るツアーの方がメジャーで、星だけを見るツアーというのは2つしかないそう。その中から「たびんちゅ」というところのツアーを選び、電話で申し込み。
その日はどんよりと曇っており、夜星が見えるかどうかちょっと怪しかったので、「今日か明日、晴れたら参加したい」という、ちょっと厚かましいお願いをしてみましたが、快く(しぶしぶ)OKしていただきました。(この星を見るツアーについては、また別途)

その後、近くにあった「父島タクシー」(といっても、タクシー屋さんではありません)というところへ行き、レンタルサイクル or レンタルバイクを借りることに。
いちおう自動車免許を持ってはいるものの、スクーターに乗ったことがなかった僕は、自転車を借りることにしようかと思っていたのですが…。

「アップダウン激しいですよ。スクーターにした方が…」

とのことで、思い切ってスクーターを借りることにしました。

「いきなり道で乗るとあぶないですから、港の広い道路まで押していって、そこで少し練習するといいですよ」

とのことで、かっこわるいのを承知でスクーターを押して港まで。

そこで早速乗ってみたのですが…。
最初、アクセルの加減がわからず、いきなり暴れ馬のようにスタートし、かなり焦りました。

さすがにこれにはすぐ慣れて、さっそく車の走る道路へ出て、島内探検スタート。

まずは、父島の北西、三日月山のウェザーステーションという展望台を目指します。
どこで曲がるのかがわからず直進していたら、なにやら工事中のエリアを突っ切ってしまい、よくわからない敷地に侵入。こりゃ間違えたなと思って引き返そうとしたら、事務所っぽいところでおじさんに呼び止められました。

「関係者の方ですか?」
「いえ、三日月山に行きたかったんですが、曲がるとこわからなくて間違えちゃったんです」
「三日月山は、そこ戻って左だねー」

そんなのどかな会話をしたんですが、後で知ったところによるとそこは、海上自衛隊の敷地だったよう。そんなところに無断侵入してしまったとは…。射殺されなくてよかった。

父島散策

三日月山に上る道は、結構な急勾配。車はほとんど走っていないものの、見通しの悪い蛇行した道が続くので、けっこう神経を使いました。
ところどころに見晴らしのいいポイントがあり、止まって眺めを楽しみながらドライビング。

マメっぽい植物

三日月山散歩

三日月山に着くと、すぐそこにあった展望台「ウェザーステーション」に気づかず、遊歩道へ。日差しが出てすぐに汗ばみました。

ふたたび引き返し、ウェザーステーションから海を遠望。
昨日、パパヤの田中さんがクジラを探してくれた場所です。

今回のために購入したキャノンの双眼鏡「10×30IS」を取り出し、洋上を観察。
昨日参加したホエールウォッチングツアーで、「船が集まっているところにはクジラがいるということ」という話を聞いていたので、まずホエールウォッチングツアーの船とおぼしきものを探したところ、2隻が近くに集まっているのが見えました。そこで、その2隻のちょうど中間あたりを凝視したところ…。あっけないくらい簡単にクジラが見つかりました。双眼鏡を通すと、2頭のクジラが背中を出し、尻尾を上げて潜るところがばっちり見えました。
ホエールウォッチングツアーもいいですが、双眼鏡さえあれば、陸上から見た方がむしろ効率がいいかもしれません。


三日月山を後にし、スクーターを走らせて「宮之浜」という海岸へ。
この日は基本的に曇天だったので、砂浜の風景は寒々としておりました。
誰もいないだろうと思ってぶらぶらしていたら、ウェットスーツをきたおじさんに遭遇。

「こんにちはー」
「こんにちは。ダイビングされるんですか?」
「いや、泳ぐだけなんだけど、寒いからこれ着てきた」

そんなおじさん。

海に入り、
「おい、あったかいぜ」
とのこと。水際まで行って水にさわってみました。たしかにぬるい。

おじさんはそのまま泳ぎ始めました。僕はしばらくぶらぶらし、宮之浜を後にしました。

(このおじさんとは、翌日、翌々日にもお会いすることになりました)


さらにスクーターを走らせ、いったん大村海岸に戻った後、父島中央を縦に背骨のように貫く山道へ。

野生のヤギ

途中、野生のヤギが道を横切るところに遭遇してびっくり。白ヤギさんと黒ヤギさんのペアでした。

このあたりからパラパラと雨に当たるようになり、顔をしかめながら走行することに。肌寒くなってきて、ちょっとおなかの調子も悪くなってきました。が、地図を見ると、このあたりには当分トイレがないとのこと。こりゃまずい…。

やがて、文字通り父島の中央にある「中央山」へ。ここは、道からわりと近くに山頂展望台があるとのことだったので、スクーターを置いて上ってみました。

ジャングリー

途中の道はジャングル。そこを抜けると、見晴らしのいい山頂に出ました。
山頂には、太平洋戦争中に大砲でも設置してあったのか、錆びた丸い台座のようなものがありました。

さてここで、おなかの調子の悪さがピークに達した僕は…。誰も来ないのを確認し、山頂の展望台の影で野グソいたしました。父島の中央にマーキング。(オホホホ 汗)


島中央を縦に貫く道路を南下し、南西にある小港海岸へ。
海岸手前の八ツ瀬川という川の岸が遊歩道になっており、そこをちょっと散策。
川岸の公園みたいなところには、南国風の花をつけた木がたくさんありました。

南国フラワー

そこからさらにスクーターを走らせ、小港海岸まで。

スクーターがすでに何台か止まっていたので、先客がいるのかな?と思いきや、海岸には人影なし。

流木とたはむる

流木とたはむる

浜にあった流木を相手に撮影ショー。
端から見たら、相当変な人だったろうと思います。

この小港海岸から隣のコペペ海岸まで遊歩道がつながっているということだったのですが、山道を800メートルも歩くとのことで、あっさり断念。ぐるっと迂回すればスクーターでもいけそうだったので、そちらからいくことに。

途中、「農業センター」というところの近くに、鮫の薫製などを売っている「はからめ水産」という店があると知り、行ってみることに。港付近では手に入らない珍しいお土産は、スクーターという足のあるうちに手に入れておかないと。
が、そのはからめ水産のあるあたりを行ったり来たりしたのですが、店がどこにも見当たりません。
たまたま通りがかった車に「どこ行きたいの?」と声をかけていただいたので、はからめ水産の名をつげたところ、「あー、はからめ水産ね、すぐそこなんだけど、いまもうないんだよ」とのこと。
店がなくなってしまったのは残念でしたが、こうやってみんなが親切に声をかけてくれるというのが、この島のすてきなところです。

コペペ海岸に行くと、すぐ後から東京電力の車が来ました。3人連れで、どうやら着任したばかりなのか、若い職員を案内してきていたよう。

この時点でまだ午後2時すぎくらいでしたが、結構疲れたので、スクーターを返しに戻ることに。扇浦にあるホテルの前を素通りし、北上。
途中、境浦というところで、岸近くに沈んだ戦時中の輸送船を見物。
道路から岸まで坂道を下らなければいけないのですが、途中まで下って、そこから双眼鏡で沈船を観察して引き返しました。
スクーターを止めたところまで戻ったところで、キーが見つからなくてうろたえていたら、下から上がってきた犬の散歩中のお姉さんに「下まで行かないんですか?」と、ここでもまた声をかけられました。
「途中までおりて船見たから、もういいかなって」
と言葉を交わしてお別れしました。

そのままさらに北上して大村海岸に戻り、海上自衛隊の敷地のすぐ手前にあるガソリンスタンドで給油。消費したガソリンは、わずか1リットルでした。
(スタンドの方がすごいぶすっとしていて、ちょっと焦りました)

最後に、父島タクシーでスクーターを返却し、島内探検終了。


この日の探検の総括。

島内のみどころを効率よく見たいなら、なにかのエコツアーに参加した方がいいと思います。というのも、自力で走っているだけだと、そんなにそんなにおもしろいものに行き当たるわけじゃないので。

ただ、僕個人の好みとして、旅行に行くと必ずいっぺんは、現地を自力で歩き回る時間を作りたいんです。地図とにらめっこしながら、自分で地理を理解し、移動する。そうすることによって、その土地により深く入り込める気がするんです。人に連れ回されているだけだと味わえない感覚だと思います。

だから、この日の探検は、みどころはあんまり多くなかったですが、僕にとってはとても重要な一日でした。
(スクーターの苦手意識も克服できたしね。)

ちなみに、レンタルサイクルを借りて島内を回ろうと思っている方。悪いことはいわないので、レンタルバイクにした方がいいです。父島のアップダウンの激しさは、ハンパないです。レンタルサイクルで苦もなく移動できる範囲というと、港付近のごくわずかなエリアに限られてしまうと思います。これでは、せっかく借りても楽しません。
父島に行ったら、レンタルバイクをぜひ。

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