クロサギ(金曜10時 TBS)
金を騙し取るシロサギ。異性を騙すアカサギ。そして、シロサギ・アカサギだけを騙す最強のサギ、クロサギ。
シロサギに騙されて家族を失った男・黒崎が、その名のとおり“クロサギ”となって復讐する物語。
主役・黒崎には山下智久。ヒロイン・吉川氷柱には堀北真希。
…あれ?『野ブタ。をプロデュース』?と誰もが思ったのでは。
(個人的には、彰(山下)より修二(亀梨和也)派だったんですけどねぇ。)
『野ブタ。』のときとは違ってシリアスな役どころなので、「○○なのよ~ん」とか「コン!」とかは言いませんが、たまに見せるアクション(?)が、どことなく彰に似ているような気も。
さて中身ですが、“復讐”という暗い背景とは裏腹に、ドラマに流れる雰囲気は、案外明るい感じです。
スタイルは1話完結で、毎回シロサギやアカサギを鮮やかに騙すというもの。騙す側と騙される側の心理戦があり、バレそうになったりもしながら、最終的には勝利!という、そんな感じです。“復讐してやる~”みたいなねちっこい執念的なものは、いまのところ表に出てきていません。
ただ、その騙す手口というのが、見ていて「おー!すげー!」と感動できるようなものかというと…そんなでもないかな、という気がします。
プロのサギを騙すわけなので、当然普通なら気づかないような罠が用意されており、それはそれですごいとは思うんです。が、逃れようのない罠にはめているというよりは、相手がたまたま乗ってきてくれたから騙せた、という印象がどうしてもあるんですよね。半分はラッキーなのではないかと。
たとえば初回はこんな感じ。
騙す相手は“融資サギ”のプロ。中小企業相手に「最低1000万円の出資金を出せば、その5倍の金を無利子で融資しますよ」と持ちかけ、出資金を振り込ませ、そのままトンズラする、というのが彼らの手口。
その相手を騙すための黒崎の手口は、
・中小企業社員を装い、「2億円出資するので10億円融資してほしい」と持ちかける。(大きな額を提示することで、相手の欲を刺激する。)
・「どうしてもすぐに現金がほしい」と言い、2億円の出資金が振り込んだことが確認されたらすぐに現金5000万円もらう約束をする。
・共犯者に、出資金2億円を“手形で”振り込ませる。
・5000万円を現金で受け取る。
・手形で振り込まれたお金は数日たたないと引き出せないので、融資サギは2億円を手にすることができない。その間に、中小企業の偽装口座から預金をすべて引き出し、手形を不渡りにする。
というもの。
なるほどね、という感じなんですが、即金で5000万円もらえたのは、相手がたまたま乗ってきてくれたからなんですよね。
見方によっては、相手の欲を逆手にのった鮮やかな手口、といえなくもないんですが。
なんとなくピンとこない感じはあります。
ただまあ、そもそもこのドラマって、サギの手口だけを楽しむものではなく、その背景にある人間ドラマを味わうものなんだろうな、とも思います。サギの手口がいいの悪いのといってる僕の見方自体が間違っている気もしますね。(オーシャンズ11じゃないですからね。)
“人間ドラマ”という視点で見ると、なかなかいいんじゃないかと思います。
「自分を守ってくれない法律を守る必要があるのか」と言い放ち、サギに手を染め続ける黒崎。
「あなたはどうしてサギ師になったの?」と問いかける氷柱。
各話のエピソードと並行して、黒崎と氷柱との関係の変化や、黒崎を追う刑事との駆け引き、家族の敵であるシロサギとの対決といった、ロングスパンのストーリー展開もおいおい出てくるのでしょう。
そのあたりも含めて考えると、けっこう期待して見られるかなあ、という感想です。
さっき“復讐”は暗いと書きましたが、個人的には暗いの嫌いじゃないですしね。毎回明るく騙して終わるんじゃなくて、どんどんダークな方向に突っ走ってほしいものです。
どうでもいいけど、山下くんが歌う主題歌『抱いてセニョリータ』…微妙…。
「じれったいのよ~ん」って…。
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いや〜。漫画の方が、面白いかと思っていましたが、
ドラマのクロサギも、良いですね。(* ̄∇ ̄*)
毎回毎回、ラストがぐっときます。
泣かせてくれるね〜。今後も、楽しみです。 [詳しくはこちら]
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