弁護士のくず（木曜10時　TBS）

『愛していると言ってくれ』『青い鳥』の2作品がシリアスな純愛を描いたものだったのに対し、このドラマはコメディタッチ。しかも職業ものということで、純愛には縁がなさそう。貴島×トヨエツの王道からは外れていますが…まあこれも、「新たなチャレンジ」と好意的に受け止めておきましょう。

トヨエツとコンビを組む新米弁護士・武田真実役には伊藤英明。彼を見ると、もはや「エイ、ブル、ダ～」しか頭に浮かびませんが、こういう熱血正義漢役は彼に合ってますね。意外性もありませんが。

さて、ドラマの中身ですが。

第1回を見てみたところでは、正直、よくある弁護士ものとそんなに変わらないよね、という印象です。街の小さな弁護士事務所に依頼が持ち込まれ、調査と裁判を進める中で意外な事実が明らかになり、めでたく勝訴、と。1話完結スタイルなのも、弁護士もののパターン通りですね。
主人公の九頭弁護士は、やたらと女好きでやる気のなさそうなキャラクター。女の子を口説くのも遊んでばかりいるのも、実は証拠を集めるための手口でした…というところは、このドラマならではの特徴ではあります。が、見ている途中から「たぶんそういうことなんだろうな」と予想がついてしまうので、特に驚きはないです。

初回のエピソードは、セクハラで上司（その名もセキハラ）を訴えたいという女性を、九頭と武田が弁護するというもの。
不利な状況を逆転し、最終的には勝訴に導くわけですが、「真実があきらかになってよかった」という武田の言葉に、九頭はこうつぶやきます。

「真実…ではないよね」

実はセクハラではなく、合意の上の行為だった…ということが、最後の最後に明らかになります。
弁護士の仕事は「真実」を明らかにすることではない。依頼人を勝たせるのが仕事。それが弁護士・九頭の信念というわけです。このへんも、ほかの弁護士ドラマとはちょっと違うところかもしれません。
ただ、それによってこのドラマの魅力がものすごくアップしているかというと…べつにそんなこともないかな、という感じです。

そんなこんなで、正直、さほど魅力的なドラマというわけじゃないんですよね…。
貴島×トヨエツじゃなかったら、2回目はたぶん見てないです。
まあ、きっと見ますけどね、2回目も。意地ですから。

ちなみに今クール、弁護士ものがかぶってますね。このドラマに加え、『7人の女弁護士』（木曜9時　テレビ朝日）、『マチベン』（日曜9時　NHK）と、全部で3本。たまたまなんでしょうけど、番組提供側にしてみるといいのか悪いのか。

しかし…。『医龍』見たいなあ。DVD出たら借りよ。