2005/7/12

回文のおもひで・2

僕の行っていた大学は、1・2年のときは全員「教養学部」というところに在籍していて、3年生になるときに法学部だの工学部だのといった学部に割り振られるシステムになっています。(「進振り」といいます。)
1・2年のとき、僕は教養学部の「文科2類」というところ在籍していました。
文科2類の学生は、普通ならば経済学部に進学することになっています。
が、あえて希望すれば文学部や教養学部(※)といった別の学部に進学することもできます。

※1・2年に在籍するのは教養学部なのですが、3・4年も教養学部に在籍することもできます。

僕が文科2類を受験したのは特に経済学を勉強したかったからというわけではなく、「なんとなく就職でつぶしがききそうだから」というだけの理由でした。なので、「このまま成り行きにまかせていていいのかなあ」という思いを漠然と持っていました。
そんな折、何気なく受講した社会心理学の講義が、大学の講義としては奇跡的に面白かったのです。
「どうせ勉強するなら興味を持てることの方がいいかも…」「いっそそのまま社会心理学者になるっていうのもいいかも…」なんてことを考え始めました。
心理学というと普通文学部の中にありそうですが、その社会心理学科はなぜか教養学部の中にありました。なので、社会心理学を勉強するとなると3・4年も教養学部に進学するということになります。

そんなわけで、大学2年の僕は、そのまま無難に経済学部に進んでエリート(?)サラリーマンを目指すか、あえて教養学部に進んでつつましやかな学者の道を歩むかの選択を迫られることになったわけです。

さて、前にも書いたとおり、そのころの僕は回文作りに凝りはじめておりました。ですので、自分の将来に関しても、ひととおり回文的に思索を巡らさずにはいられないわけです。

いざいけ経済
(いざいけけいざい)

これで自分の進むべき道は決まったと思いました。シンプルにして力強く、一分の隙もありません。やはり無難な人生に勝るものはないのでしょうか。

しかし一方で、もうひとりの自分がささやくのです。「回文なんかで自分の人生を決めていいの?」
そうだ、これではいけない。僕は「教養学部」をテーマに、「いざいけ経済」に匹敵する回文を作ることで、勝負を五分に戻そうと試みました。

神は案外あっさり降りてきました。

福がうようよ教養学部
(ふくかうようよきようようかくふ)

これで僕の人生の選択は振り出しに戻りました。

#結局僕は無難に経済学部に進学しましたが、エリートサラリーマンとはほど遠い位置におります。

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