回文のおもひで・1

突然思い立って、回文に関するおもひでを書きます。

知らない人のために書きますと、回文というのは「上から読んでも下から読んでも同じになる文」のことです。

大学生の頃、僕は美術部に入っていたのですが、そこのO先輩が回文作りに凝っていて、回文を作っては部誌に書き付けていました。
それを見て「おもしろいな」と思ったかどうかはよく覚えていないのですが、試験勉強に飽きたときになんとはなしに作ってみました。
で、それをO先輩と同じように部誌に書き付けておいたところ、「これいいよ、回文コンテストに応募しなよ」とO先輩から言われました。ちょうどそのころ、学内の「言葉遊び研究会」というサークルが回文コンテストの作品を募集していたのです。さっそく一番出来のいい作品で応募しました。

それがこの作品。

海水浴　叩いていただく　良い西瓜

（かいすいよくたたいていたたくよいすいか）

ちなみに、濁点の有無まで完全に逆さになっている方が美しいとされますが、そこまで一致していなくてもまあ回文と見なしてもらえます。

さて、コンテストの発表当日。
結果は、

1席：該当作なし

2席：エネルギィ勝手次第出して使い切るねえ（O先輩作）

3席：海水浴　叩いていただく　良い西瓜

ということで、O先輩とワンツーフィニッシュならぬツースリーフィニッシュを達成したのでした。
この受賞で、O先輩は賞金1万円、僕は賞金5千円をいただきました。

その賞金の使い途なんですが、美術部の面々と飲みに行った後のカラオケ代に全額放出してしまいました。

その一連のなりゆきを、O先輩の視点から詠んだ回文。

回文千書き付けおらが獲得いたした2席1万円　街行き　銭出したい功徳かカラオケづき　完全フイか

（かいふんせんかきつけおらかかくとくいたしたにせきいちまんえんまちいきせにたしたいくとくかからおけつきかんせんふいか）

「銭出したい功徳」ってなんだ？意味わかんねー、とかいうな！こんなものは勢いです。