2008/7/21
矛盾した心ゆらゆら『ゆれる』
『ジョゼと虎と魚たち』に続き、知人のおすすめ映画。『ジョゼ』もよかったけど、こっちもよかったです。
なんとなく恐ろしげなタイトルですが、内容はある兄弟の人間ドラマ。ひとりの女性をめぐってわだかまる兄弟の仲、吊り橋で起きた女性の死。
兄は女性を殺したのか、助けようとしたのか。それを見ていた弟は、兄を助けるのか、陥れるのか。真相を伏せたまま、ふたりの心の「ゆれ」にフォーカスされた物語が進みます。
Amazonのレビューとかを見ると、「真相がよくわからん」とか「心理描写の筋が通ってない」とか、この作品の曖昧さを否定的に捉える意見もあるようですが、たぶんこの作品は、曖昧な事実の中でゆれる「矛盾した心」そのものを描きたかったんだろうと思います。だから、登場人物たちの行動に筋が通っていないように見えるのは、まさに狙い通りなんでしょう。
といいつつ、真相はどうだったんだろう?と知りたい自分がいるのも事実ですが。そこを知りたがるのは野暮、なのかも。
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