2008/5/21

自分を強引にケータイ・インターネッター化計画

「ネットの中心は、PCからケータイに移行している」といわれはじめて久しい今日この頃。
インターネット企業でサービスを作る仕事をしている身としては、当然その流れに適応できなければいけないわけですけれども。

「まず1ユーザーとして、ケータイによるネット利用を体感し、理解しなければ」と、過去何度か、「あえてケータイでネットする」ということにトライし、挫折し続けてきました。
PCでネットすることに慣れた身にとっては、ケータイは不便なだけ。外出中など、ケータイしか手元にないときに、PCの代用としてケータイを使うことはあっても、わざわざあえてケータイでネットしたいとは思えず。

が、このたび、「こうやりゃいけるんじゃないの?」と思うことがあったので、メモメモ。

きっかけは、会社のある後輩女子とのやりとり。
その後輩は、直接会話をすることはほとんどないのに、なぜかたまにメールで“議論”を交わし合うメル友と化すという、不思議な間柄の人。

その子が、先日こんなことを書いていました。

「自分はPCでネットをすることから先に覚えてしまったので、ケータイでネットするなんて不便でしょうがないと思っていた。でも最近、ケータイでネットをすることにはまった。いまでは、ケータイが主で、PCは補助」

その、ケータイでネットすることが「主」になった転換点がなんなのかを知りたくて、根掘り葉掘りきいてみたところ、「ケータイならではのメリット」をいろいろ挙げてくれました。

・通勤電車の中とか寝る前にベッドで横になりながらとか、色んなシーンに対応
・PCのようにOSの起動を待たなくても良い
・画面が小さいので後ろから覗かれにくい
・タブが使えないのでひとつのページに集中できる
・デザインが単純なので、文章に集中できる
・アクセスキーや予測変換機能、画面メモが便利
・PCよりも目が疲れない気がする

など。

それはそれで「ふむふむ、なるほどね」と思いつつ、僕にとってヒントになったのは、彼女が何の気なしに書いたにちがいない、別の要素。

・電車待ちや電車の中などで重宝する(人ごみの中でどこに視線を向ければいいかわからないから、ケータイをいじっている)
・見るのはほとんど、誰かのブログ

べつに普通じゃん、といえばそうなのですが、「自分が実際にそれをやるとしたら」と想像したときに、すごく違和感を感じたんです。
違和感というのは、その子がおかしいという意味ではなく、自分がいつもネットを見るときの行動が、そういう形でのネット閲覧とかみ合いそうにないと感じた、ということ。

なんでだろう?と考えてみると…。

PCでネットするときの自分の行動を思い起こしてみると、ほとんどが「目的の情報・モノを探す」という行為であることに思い当たります。
まあ、食事をしたりテレビを見たりしている横で常にPCはONになっており、切実な必要性に迫られてなくても、なんやかやとネットを見ていることは見ています。が、そんなときでも、行動の起点はほぼ間違いなく「検索」です。(まあ、ほとんどの人がそうだと思います)
知らない人のブログ記事に行き当たるときも、たいてい何か検索して、たまたま引っかかったものが誰かのブログだった、というケースがほとんど。
逆にいうと、検索することが特にない状況で、ネットをする理由はないということです。

でも、彼女はどうやら、基本的に特に目的を持っていない状況で、ひまつぶしにいろんな人のブログを見ているよう。(特定の人のブログをチェックしていると考えられなくもないですが、なんとなく、いろんな人のブログ記事に次々に行き当たるような見方をしているようだと、話の端々から想像)

「てきとうに検索すりゃなんか出てくるでしょ」といえばそうかもしれませんが、特に目的もないのになんでもかんでも見たいとも思わないし、ケータイで検索することに不慣れなのも大きなハードル。
僕が普段PCでやっているようなネットのやり方では、彼女のようにはどうもなりそうにありません。


どうしたもんじゃろう?と、ひとしきり考えて思いついたのは、

・あるフィルタを通じて自動的におもしろいブログ記事が集まってくる状態を、あらかじめ作っておく

という方法。

なんだか小難しい言い回しになってしまいましたが、具体的にいうと、

・はてなブックマークから出力される「『ヤンが卿ならそう思う』を含む注目エントリー」のRSSを、ライブドアリーダーに登録しておく(これはあらかじめPCでやっておく)
・ケータイでライブドアリーダーにアクセス

ということをやりました。

つまり、はてなブックマークという「ある程度みんなに支持されている情報のみを抽出するフィルタ」を通し、読む価値のある記事だけに絞り込んだものに、ケータイから簡単操作でアクセスできる状態を作っておくわけです。
これなら、特に目的のない状況でも「受け身」で読み甲斐のある記事に行き当たることができます。ケータイによる検索スキルの低さも無問題化できます。

今日電車で移動する用事があったので、この方法で集まったブログ記事をずっと読んでましたが…読み応えのある記事がいっぱいあって、すごく充実してました。

ちなみに、普段会社のPCに入ってるアプリ型のRSSリーダーで購読しているものもいくつか入れておいたのですが、結局そっちは見なくて、もっぱら「ヤンが卿ならそう思う」ばかりを見てました。それはたぶん、「普段なら、ほかのタスクを犠牲にしてまで読もうとは思わないものにも、安心して時間を割ける(仮にそれを読まなかったとしても、他にすることがあるわけじゃないので)」という「心のゆとり」のおかげかと思います。
今日は、人のコミュニケーションなどについて考察したブログ記事に行き当たり、大変興味深く読ませていただきました。

「普段PCでやっていることを、ケータイを使って外でもやる」ではなく、ケータイを用いたシチュエーションによって、PCでやっていたのとは全然違う体験が生まれる。これも、今回の新たな発見でした。


…っと、ケータイでネットすることに自然に入り込めている人には、そんなどうでもいいことをなに熱弁しちゃってるんだろう?という感じだと思うのですが。

このまま“ケータイ・インターネッター化”に成功できるかどうか…。もうしばらくがんばってみます。

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コメント

僕も通勤途中などの移動の時に、携帯(PHS)でネットに繋いでいますね。
僕の場合は、ある特定の掲示板など巡回するところが決まっているので、そこをチェックするくらいですけど。
たまに暇つぶしに見たりする事もあります。(稀ですけど)
携帯でネットに繋ぐのは、「データ定額」にしているから出来る事で、これに入っていなかったら、見ようとは思わなかったでしょうね。
14chさんは定額制なのか知りませんが、あっちこっち見て回るとパケット代が大変な額になったりしないかと思ったりします。

定額っていうか、会社に買ってもらった携帯なので。(携帯サイト研究用という目的で買ってもらったものなので、携帯サイトいくら見ても問題なし、というか、もっと見なきゃまずい)

ふふふ。いいでしょ。

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