2008/1/ 4

者ども、海をお作りなさい

元日といえば、毎年実家に、両親と兄夫婦が集まります。
今年も例年通り集まったわけですが…。

兄夫婦のひとり娘・マユちゃんは、今年3ちゃい。
夕食のしゃぶしゃぶをちんたら食い続ける大人たちをけなげに待ち続けるマユちゃん。

「いちご食べたい!」
「だめよ、ほら、じぃじがまだ食べてるでしょ」
「うん、じぃじ待つ」

しかし、さすがにがまんし切れなくなったマユちゃん、居間で遊び始めました。
うちの母(=マユちゃんの祖母)が折り紙を折って相手をしています。

「ほら、おさかなだよ」
「ほら、おふね」

母は、次々にレパートリーを繰り出しました。さすが、おばあちゃんは物知りです。

次から次へと出てくる海アイテムに、マユちゃんはだんだん興奮してきました。
そして、ついに言ってはいけない一言を口にしてしまいました。


「海、作って」


大人一同、硬直。折り紙で海を作れと。そうおっしゃいますか、姫。


「海、作って」


さすがに母も、このリクエストには応えられなかったようす。

「マユちゃん、海はね、折れないの。ほら、海はお水がいっぱいでしょ?これはお水じゃなくて、紙だから」

母さん、それは発想が貧困ですぜ。そんな大人の常識に縛られた答えをしたら、子どもの自由な想像力が損なわれてしまうでしょうが。てか、「これは紙だから」っていっちゃったら、なんにも折れなくなっちゃうでしょうが。


こういうときの大人は醜いものです。責任の押し付け合いが始まりました。

「ほら、マユちゃん、海はね、パパが得意だよ。パパに折ってってお願いしておいで」
「パパ~」

しかし、兄も負けてはいません。

「おばあちゃまのとこいって、こういいな。『ねえ、海作って。マユのこと、好きじゃないの?』って」
「おばあちゃま~」

めぐりめぐって僕のところにも来ました。

「14ch、海作って」

ちょっと待っててね、といって、青い折り紙を使い、会社の同僚ママに教わった切り絵をやって見せました。
切り絵自体は気に入ったらしく、ママに見せに行ったりしていましたが、

「マユちゃん、これなんだ」
「花」
「花じゃないよ、海だよ。ほら、青いでしょ」
「花だよ」

やっぱり海とは認めていただけなかったようす。

けっきょくマユちゃんは、誰にも海を作ってもらえず、納得のいく説明もしてもらえませんでしたとさ。

子どもの感覚って、むつかしい。

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コメント

ちいさなお友達と絡む姿が想像できませんよー。

えと、おおきなお友達と絡む姿は容易に想像できるのでせうか?(涙)

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