2007/5/ 9

淡々と思いを受け止めて『硫黄島からの手紙』

硫黄島からの手紙
硫黄島からの手紙
posted with amazlet on 07.05.09
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Amazonのレビューを見ると、「何がいいたいかわからない」などの否定的な評価がけっこうあるようですが、僕は良かったと思います。とっても。

映画の作り手にとっての主義主張がバシッと存在し、登場する軍人ひとりひとりがその主義主張を表現するために一貫性を持った行動をする…そういうのは、そもそもこの映画の趣旨ではないのでしょう。
ひとりひとりが、それぞれの中でもさまざまな自己矛盾を抱えながら、それぞれの思いに従って生きた…それを淡々と描くことが、この映画の趣旨なのではないかと。

だから、主義主張の一貫性なんて、そもそもあるわけないんです。制作側の主義主張は何か?なんてことを考えながら見るべき映画ではないでしょう。「反戦映画」なんて安易に括るべきものですらないと思います。

淡々と、軍人たちひとりひとりの思いを受け止める。それで十分。

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コメント

「父親たちの星条旗」も合わせて見てくださいね。
知っていると思うけど、2つで1つの作品なので。(こちらはアメリカ軍から見た硫黄島の戦いとその後の英雄達の苦悩を描いているらしい)
僕は、2つの作品がボックス化されて安くならないかなぁとか思ってます。つまりまだ見てない。(^_^;

もちろんですがな。DISCASから届くのを待ちですが。

人が淡々と死んでいく映画。でしたね。

中村獅童の演じたエピソード(鳥をみてわれに返る話・実話)はいつも考えさせられる。

中村獅童の件は、

「妄信的に国のために命を捧げようとした兵士ですら、人間的な迷いを抱えていたんだ」

という意味で受け取っています。

主義主張の一貫した兵士より、むしろ人間的とさえいえます。考えさせられますね。

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