わたしたちの教科書（木曜10時　フジテレビ）

“狂気”との戦いに挑むのは、弁護士にして少女の母親・積木珠子（菅野美穂）と、少女の担任である臨時教員・加地耕平（伊藤淳史）。

第1話を見る限り、物語は加地耕平の視点を中心に描かれるようです。伊藤淳史は、電車男のときとはまったくちがうシリアスな役柄を、違和感なく演じてます。

菅野美穂も、いままでのドラマに比べると、抑えの利いた重みのある演技をしているように思います。基本的に女優さんとしてあんまり好きじゃありませんが、今作に関する限りは、けっして悪くないかと。

脚本は坂元裕二。といえば、『東京ラブストーリー』『西遊記』などの脚本を手がけた、定番脚本家。
これまで坂元氏が手がけた脚本をみると、わりとポップな感じのものが多いようです。そんな中で、今作はちょっと異質なのではないかと思います。

今作は、最近のドラマにはめずらしく、原作のない、坂元氏のオリジナル作品。そこへ、坂元氏らしからぬ題材を持ってきたというところで、氏の意気込みのようなものが感じられる気がするのですが、どうでしょう？

第1話のラストで少女が死に、それまで少女に冷たく接していた母親の積木珠子の心に火がつくところまでが描かれました。積木と加地の戦いの、いわば序章といった感じでしょうか。

これからどんな展開が待っているのか。先が読めないだけに、楽しみです。