2006/2/20

象になった少年

タイトルを見て、普通にさらっと流してしまった方も多いと思います。正しくは「星になった少年」ですね。

おんなじ間違いする人はさぞかし多かろうと思い、以前「象になった少年」でググってみたことがあります。かなり引っかかりましたね、マジ間違いが。

「象になった少年」で検索

あははー、やっぱみんな間違えるよねー、でも少年が象になっちゃまずいでしょ、それじゃB級ホラーでしょ…。

と思っていたんですが。

今日、この「象に星になった少年」をレンタルで見ました。

そしたらびっくり。主人公の少年は、本当に象になるんですね。ずっと冗談のつもりだったのですが、まさか事実だったとは。
タイトルが「星に」なだけあって、ちゃんと星にもなります。星になった後、象になるという流れですね。
ここに、「星のついた象」というのも登場するので、物語は混迷を極めます。

…すみません、嘘をつきました。混迷は極めません。いたってシンプルな物語です。

          *

このエントリーで言いたいことはもう終わりなんですが、せっかくなんで感想でも。

物語のあらすじは、まあどっかで見てください。簡単にいうと、少年が象使いに憧れ、タイに渡り、象使いになって帰ってきて、象のショーとかをして、死んじゃう話です。

…自分、つくづく文才ありませんね。こう書くと、感動しそうな気配すらありません。

で、実際、見てどうだったかというと…。
正直、ちょっと感動しそこなっちゃた感じです。感動するぞーと思って見てたんですがね。

全般的に、エピソードのひとつひとつが淡白だったような気がします。タイでのエピソードはわりと充実してたんですが、日本に帰ってきてからがどうも。

サブタイトルが「Shining Boy & Little Randy」というだけあって、この映画のもうひとりの主人公は「子象のランディ」のはずなんですが、少年とランディの交流がいまいち描き足りない気がします。なので、少年の棺桶を前にしてランディが涙を流すシーンも、いまいちグッときません。
あと、蒼井優演じる彼女との交流も描き足りない気がします。本当に彼女だったのかどうかさえ定かではありません。

なによりいちばん物足りなかったのは、少年が死ぬとこでしょうか。「死ぬ」ということはわかっているわけですが、「え、ここで死ぬか?今ので死んだのか?」と、肩透かしをくらった気分です。前に、この映画について井筒和幸監督が「最後のもっていき方が気に入らない、取ってつけたようだ」というようなことをおっしゃっていましたが、言わんとすることがなんとなくわかる気がします。

…と、いろいろ辛口で書いてしまったんですが、なんやかやいいつつ、見終わってからずっと、非常に印象に残っています。
それはひとえに、坂本龍一による音楽の賜物といえます。

坂本龍一、ずっと巨匠扱いされつつも、「戦場のメリークリスマス」「The Sheltering Sky」などの後は、いまいちピンとこないものが多かったような気がします。専門家が聞けばすごい音楽なのかもしれないけど、素人的にキャッチーじゃないといいますか。
が、今回のテーマ曲「Shining Boy & Little Randy」は、久々に印象深い曲になっていると思います。気に入ったので、着メロに設定&Moraでダウンロードしてしましまいした。
Moraで販売していたのはピアノバージョンだったので、映画で流れていたものそのものではないのですが、こちらもなかなか良いです。楽譜買ってきて練習しようかな、とちょっと思ってます。


以上、いまさら時期はずれの「星になった少年」の感想でした。まだ見てない方は参考にしてください。少年が象にメタモルフォーゼするシーンは見ものですよ。(完全に嘘)

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コメント

あの名子役の子が出演しているやつですね。

戦時中の動物園で、動物たちが次々毒殺されていくやつ。(違うって)

僕は、泣かせる映画と、ホラー映画は、わざわざお金出して見たくないので、TVでやったら見るかもしれません。
歳のせいか、涙腺緩くなっちゃってね。

坂本龍一、「ラストエンペラー」はダメですか?

大丈夫ですよ。あんまり泣けないから。

「ラストエンペラー」は、個人的にはあんまり好きじゃないですね。メインの旋律がどこなのかよくわからなくて。

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