今クールのテレビドラマ総括(2005秋)
今クールは、テレビドラマを毎曜日1本ずつ、週7本も見ていました。
第1話を見た後のレビューはこことかこことかに書きましたが、第1話を見ただけの評価と最終話まで見終わった後の評価とでは、当然大きく違いますよね。
ってことで、今回は「全部見終わってから決めるドラマランキング」という形で行きたいと思います。
当然ですが、対象は僕が見ていたドラマに限ります。
・恋の時間(日曜9時 TBS)
・危険なアネキ(月曜9時 フジテレビ)
・1リットルの涙(火曜9時 フジテレビ)
・あいのうた(水曜9時 日本テレビ)
・今夜ひとりのベッドで(木曜10時 TBS)
・花より男子(金曜10時 TBS)
・野ブタ。をプロデュース(土曜9時 日本テレビ)
以上7本。
これらを勝手に順位付けします。下から順にいきます。
第7位:あいのうた(水曜9時 日本テレビ)
玉置浩二と菅野美穂主演のドラマ、残念ながら第7位です。
正直、全般的に退屈でした。
玉置浩二演じる3児の父があとわずかの命であることが、まず初回で明かされます。そこで僕が期待したのは、「ラストで悲しい死に別れがあるにちがいない」ということでした。
途中何度か、「奇跡が起こるといいわね」的な台詞が出てきていたので、「ひょっとすると、死ぬと思わせておいて、実は奇跡が起きて助かりました!的な展開もありかも?」とも思わせられました。
その2つの期待のみで、退屈な時間をなんとか乗り越えて見続けたわけです。
さて、ラストはどうだったか…。
最後の場面は、季節が流れ、訪れた春の日常的な朝が描かれます。家事をする菅野美穂、たたき起こされる子供たち。
そこへ起きてくる玉置浩二。お、ひょっとして死ななかったのか?
菅野美穂のナレーション。「彼の命の期限はそろそろだけど、とりあえずまだ死んでないよ(意訳)」
終了。
なんじゃそりゃ?助かるのか死ぬのか、はっきりしなさいよ。なんのためにここまでひっぱってきたのよ。
作り手の意図としてはおそらく、奇跡的に助かる可能性を残しつつ、でも「助かっちゃいました~」的な嘘っぽい展開も避けたい、というようなことなのかなと思います。そのへんの判断は視聴者に委ねよう、と。まあ、それもわかるんですが…正直、玉置氏には死んでいただきたかったです、すっぱりと。
というような消化不良感が災いして、最下位でございます。
第6位:危険なアネキ(月曜9時 フジテレビ)
初回を見た後の評価はわりと高めに書いたんですが、ビリ2です。
途中、いろんな小技がちりばめられていて、それはそれでけっこう面白かったんですが、肝心のストーリーはぜんぜん波がなかったように思います。どんなエピソードがあったか、ほとんど思い出せません。
大きなストーリーの流れとしては、初回でつぶれた造り酒屋(=主人公姉弟の実家)が、最終回で見事に復活!というものがあるにはあります。が、それはあまりにも予定調和的で、最初から容易に予想がつきます。しかも、その造り酒屋復活の決め手になったのが、主人公姉弟の努力でもなんでもなく、「債権者がたまたまそこの焼酎の味にほれ込んだから」という、降ってわいたラッキーのおかげということになってるじゃないですか。あまりにもご都合主義的だし、これまで描かれてきた姉弟のエピソードはなんだったの?という気になってしまいます。安っぽすぎます。
ということで、見終わった後に残るものは何もありませんでした。
さっきも書いたとおり、小技はそれなりに面白かったのですが、「小技しかないドラマ」でしたね。
第5位:野ブタ。をプロデュース(土曜9時 日本テレビ)
世間的には、けっこう人気が高かったようですね。
僕的には、途中見ている間、あんまり面白いと思えてませんでした。見ても見なくてもどっちでもいいや、くらいの感じでした。
理由は、最初のレビューでも書きましたが、爽快感のある展開があんまりなかったからです。いじめられっ子の野ブタが周りを見返してスカッ!みたいな感じがぜんぜんないんですね。特に感動するところもないし。
ということで、そのままいっていたら最下位だったと思うんですが、最終回がそこそこ良かったので、ちょっと浮上して5位。
最終回では、主人公・修二(亀梨和也)が、親友の彰(山下智久)や野ブタ(堀北真希)と別れ、ひとり転校していきます。転校前、元カノとお別れをするシーンや、級友たちに見送られるシーンなんかは、わりと感動的でした。
ラストで、新しい高校で転校の挨拶をする修二の前に、なぜか彰の姿が。彰、修二を追って転校してきたんだそうな。そんなのあり?と、ご都合主義的な展開にすこし呆れつつも、まあもともとそんなにリアリティのあるドラマでもなかったからいいのかな?なんて思ったり。
このドラマから生まれた、亀梨和也と山下智久による期間限定ユニット「修二と彰」が歌う主題歌「青春アミーゴ」には、こんな歌詞があります。
♪Si 俺たちはいつでも ふたりでひとつだった
そう、ふたりはひとつなのね。ということで、すべて納得いたした次第です。
(青春アミーゴ、今年いちばん売れたシングルだそうです。いい歌です。覚えたいです。♪じ~もとじゃ ま~け~し~ら~ずぅ~)
しかし…肝心の野ブタはどうなっちゃうんだか。いちおう「プロデュース」の目標どおり、学校の人気者にはなったみたいだけど…。なんか捨て置かれてしまったような。
第4位:・恋の時間(日曜9時 TBS)
最初のレビューにも書いたとおり、普通だったら絶対見ないドラマです。が、大人な雰囲気がわりと好きだったので、4位です。
キャリアウーマンの姉、ごくありふれた主婦の妹、それぞれの恋が淡く淡く描かれたドラマでした。ただ、ちょっと淡すぎるんじゃ?という気がしなくもないです。特に大きな起伏のないまま終わってしまったような…?
初回から始まった妹の恋は、回が進むごとに徐々にのっぴきならないものになり、最終回では夫と別れることになります。いったんは恋の炎がぱっと燃え上がるものの、紆余曲折を経て結局元の家庭に戻るという展開なのかなと予想していたので、ちと意外でした。夫と別れて新しい恋を選んだものの、まだ子供に未練が残っていたりして、すっぱり新しい人生を歩みだしたというわけでもないあたりが、ちょっと消化不良です。
姉の方は、初回で痴漢と間違えた男との恋が、最終回、やっと本格的に始まりそう!というところで終わります。
こちらも、もっと早く恋に落ちるのだろうと思っていたので、やはり意外。でも、こういう展開も、まあありかな、と思います。
全般的にいうと、最終回の落ち方が弱かったかな、と思います。ここで終わってもいいけど、もっと続けてもいいかもよ?みたいな感じです。見終えた満足感は、あんまりなかったかも。
第3位:今夜ひとりのベッドで(木曜10時 TBS)
このドラマも「恋の時間」と同様、普通だったらまず見なかったドラマです。が、見始めたら案外面白くて、途中ずっと、いちばん面白いと思って見てました。が、最終的には3位に転落です。
なぜ転落したかというと、やはりこれも最終回の消化不良感ですね。
このドラマは、主人公夫婦、夫の不倫相手、弟、友人などをめぐる群像劇という感じなのですが、それぞれどうなるわけでもなく、全員宙ぶらりんの状態のまま終わってしまった感じです。
主人公の本木雅弘も、奥さん(瀬戸朝香)とは別れるものの、不倫相手(奥菜恵)とくっつくでもなく、なんとなくひとりのままで終わります。
このドラマのサイトによると、「今回のドラマ全体に行き渡るキーワードは『孤独』です」ということなので、誰ともくっつかずに一人身で終わる主人公を描くことで、「孤独」を匂わせたかったのかもしれません。でも「孤独」というほど孤独でもないような?結局なにがいいたかったんだろう?ちょっとよくわからない感じです。
ただ、このドラマで面白かったのは、途中途中に挟まる、主人公の心の声。不倫をしているだけに、奥さんの前ではびくびくしていて、「あ、今のはまずかったかな?」とかいろいろ心の中でしゃべるわけです。それが、けっこういいセンスだと思いました。脚本家さんの技量が表れそうです。
結局、このドラマもほかのと同じですが、ストーリーの起承転結がもっとほしかったと思います。不倫するならするで、もっと激しく愛し合うとか、誰かと誰かを奪い合うとか、人が死ぬとか。(あ、お父さん死んだっけ。)なんかこう、ぺりっとひと皮向きたい感じです。くたびれたサラリーマンのおじさんは、はっきりしたわかりやすいストーリーを求めています。
第2位:1リットルの涙(火曜9時 フジテレビ)
これはなかなか良かったです。最初のレビューでは酷評しましたが、回が進むごとに良くなり、毎週楽しみにするようになっていました。
最初のレビューで「ご都合主義的な展開が多い」と書きましたが、それは最初だけだったようです。
このドラマでよかった点はいくつかありますが、まずよかったのは主人公・亜也を演じた沢尻エリカさんでしょう。かわいいです。かわいいだけに、難病に冒されていく様子が痛々しく、つい感情移入してしまいます。人気出そうです。今後も期待。
相手の遥斗役の錦戸亮くんも良かったです。前クールの「がんばっていきまっしょい」でも、主人公を支えるいい奴を演じていましたが、今回はさらに輪をかけていい奴でした。彼も期待。
ほかのドラマがいまいちだった「ストーリーの起伏」という意味では、このドラマは問題なしでしょう。主人公が難病に冒されていき、最後に死んでしまうという、はっきりした流れがありますので。
途中途中の泣きポイントも十分にありました。亜也が高校を中退し、学校から出て行くところへ、クラスメートたちが追ってきて、みんなで合唱するシーン。泣きました。遥斗が亜也からもらった、「もう会えません」と別れを告げる「ラブレター」を読むシーン。泣きました。人目を気にせず泣けるのは、ひとり暮らしの特権です。
あと、要所要所で流れる、レミオロメンによる挿入歌「粉雪」が抜群にいいです。
♪粉雪 ねえ 心まで白く染められたなら AHA~
あんまりいいんで風呂場で歌ってみたりするんですが、高音が猛烈に高くて歌えません。
Moraのダウンロード販売でもけっこう売れてるみたいです。レミオロメン、これで一気に注目度アップしてますね。「粉雪」の入ったアルバム出たら買っちゃいそう。
最終回で、一点だけ辛いことをいいます。病院で亜也が死ぬシーン。お父さんが「亜也ーっ!」と叫ぶんですが、あのシーンは不要なのではないかと。なんか興ざめです。その後にでてくるお墓のシーンがあれば、死んでしまったということはわかるはず。蛇足な気がします。
まあそうはいっても、いいところはたくさんあったので、いいドラマだったといっていいんじゃないでしょうか。
第1位:花より男子(金曜10時 TBS)
これも、最初のレビューではわりと酷評したような気がします。「子供向け」とか、「あんまり好きになれない」とか…。
が、見ているうちに、けっこう面白くなってきてしまいました。
ストーリーや設定が嘘くさいのはもうわかりきっていることなので、そこんとこはすぐに気にならなくなりました。
主人公・つくし役の井上真央という子は知らなかったのですが、本当にこの役に合っていると思います。「ありえないっつーの」とかいった、この役ならではの台詞も板についています。
最終的に恋の相手になる司役の松本潤も、クレイジーな感じがよく出ています。「すぐ来い。来ねぇとぶっ殺す」とかいった彼の台詞を聞いていると、思わずにやけてしまいます。
やさしくつくしを支える類役の小栗旬も、表情がちょっとわざとらしかったような気はしますが、わりとよかったです。
最終回後半、ニューヨークに旅立つことになった司に代わってつくしに会いに行った類が「司を追いかけろ」と諭すのですが、そのあたりからがいい感じでした。
特に、司の家の空港でプライベートジェットを追い駆けてつくしが走るシーン。プライベートジェットから降りてきた司とつくしが言い合いをするシーン。司がつくしを抱きしめるシーン。夕焼け時の映像がきれいで、とても印象的でした。何回も見ちゃいました。
この最終回がとてもよかったので、堂々の第1位に選ばせていただきました。世間的にも1番人気だったようです。
このドラマ、これで終りじゃなくて、続編があるみたいです。最後に「See you, soon!」と出ていたので。うれしいです。はやく続きが見たい!
…ということで、今クールのテレビドラマを(見てたやつだけ)総括してみました。全体的には、途中が面白くても、最後でストーリーがうまくまとまってないものが多かったなあという印象です。やはりちゃんとまとまらないとね…。終わりよければすべてよしです。
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ドラマ、見てるねー。
僕は結局、「着信アリ」しか見てなかったな。
あれは、途中ぜんぜん怖くなくて、たいしたこと無いじゃん的に思ってたんですが、最終回でゾクってするような怖さがありました。(ありがちな展開かも知れないけどね)
来年はなに見ようかな?(情報全然なし)
投稿者: shim | 2005年12月28日 11:56