2005/3/14

「アラモ」見ました

週末に映画「アラモ」を見ました。
「アラモ」という映画は、1960年にジョン・ウェイン監督で作られているそうなんですが、僕が見たのは2004年の作品。

物語は、テキサスがまだアメリカの州ではなくメキシコ領だった時代のお話。
独裁者サンタ・アナの圧政に叛旗を翻したテキサスの義勇軍がアラモの砦に立てこもり、押し寄せる数千のメキシコ軍と戦いますが、多勢に無勢、孤立無援のままアラモの砦は陥落します。
しかし、さらに侵攻するメキシコ軍に対し、「アラモを忘れるな」のかけ声の下、ヒューストン将軍率いるテキサス軍が反攻し、見事勝利します。そして捕虜にしたサンタ・アナの命と引き換えに、テキサスのメキシコからの独立を勝ち取るのでした。

…という話だったらしいことはわかったんですが、ディテールはいまいちよくわかってないです。
思うに、このアラモの砦をめぐる話というのは、アメリカ人の間ではよく知られたエピソードで、いちいち説明しなくてもだいたいわかっているだろうという想定の下に作られているのではないでしょうか。

なんとなくわかりづらかった原因の一つには、登場人物たちに突出した個性がなかったことにもあるのではないかと思います。
主要人物は4人(ヒューストン将軍、ディビス・クロケット、ジム・ボウイ、トラヴィス中佐)ですが、端正な顔立ちのトラヴィス中佐をのぞき、(端役も含め)みんな脂ぎったオヤジ顔をしているので、「えーとこれはだれだったかな?」といちいち考えながらでないと見られないのです。とくに紛らわしかったのがディビス・クロケットとジム・ボウイ。
ちなみに個人的に好きなのは、主要人物の中で一番最初に死んでしまったトラヴィス中佐です。

にしても、この映画を見て、昨今のアメリカが漂わせている「アメリカこそが正義だ」的なにおいを感じてしまうのは僕だけでしょうか。
劇中、サンタ・アナがこんなことを言います。「兵の命なんてニワトリ同然だ」とかなんとか。ここでは、「サンタ・アナ=絶対悪」という描き方が非常に強調されています。その裏には、サンタ・アナ=サダム・フセイン、そしてそれに抵抗するテキサス軍=アメリカ、という図式が見え隠れします。

終盤、2つの大きな戦いがあります。ひとつはアラモの砦が陥落する戦い、もうひとつはテキサス軍がメキシコ軍に打ち勝つ戦いです。
題名が「アラモ」というだけあって、アラモの砦が陥落する戦いが一番のクライマックスだろうと思っていたのですが、その後にもうひとつ戦いが出てくるので、見る側としてはどこで気持ちを最高潮にもっていったらいいか戸惑ってしまうところがありました。
あとから思い返すに、やはり「アラモ」という題名なだけあって、アラモの砦が陥落する戦いをクライマックスと考えるのがいいのだろうと思います。実際、戦いの描かれる時間の長さや迫力は、この戦いの方が上だったと思います。この戦いのシーンは夜なのですが、照明弾の光に照らされながら悲劇的な結末に向かって戦いが進んでいく様はちょっとした見物です。なぜか「タイタニック」で、タイタニック号が花火を打ち上げながら沈んでいくシーンを思い出しました。

…とまあ、そんな感じです。

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